日本発の分子標的薬「ザーコリ」、社会問題化した不活化ポリオワクチンが注目されました

2012年は、日本発の新規抗がん剤「ザーコリ」や、国内初導入となる不活化ポリオワクチンなどが承認・発売となりました。

2012年3月に承認されたファイザーの「ザーコリ(一般名:クリゾチニブ)」は非小細胞肺がん治療薬のALK阻害剤で、保険外併用療養費制度にもどづいて、薬価収載までの間、施設を限定するなどの条件付きで提供が開始されました。

同剤は非小細胞肺がん患者の約3~5%が陽性とされている、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)融合遺伝子をターゲットにした希少疾病用医薬品です。日本で肺がんにおける同融合遺伝子が発見され、2007年の論文発表から5年で製品された日本発の抗がん剤として注目されています。

2012年、新薬を巡って社会・政治的に注目を集めたのが不活化ポリオワクチンです。厚生労働省は日本初となる不活化ポリオワクチン(IPV)となるサノフィパスツールの単独IPV「イモバックスポリオ」を承認し、従来の生ワクチンから全面的な切り替えるかたちで同年9月の定期接種から導入を開始しました。

生ワクチンの副作用に対する懸念から新聞やテレビでも大きく報道されたことを受け、厚生労働省が国内導入を決めました。サノフィパスツールは2011年に開発を急遽決定し翌年2月に承認申請を行い、わずか2ヶ月というスピードで承認に至りました。

しかし、定期接種導入の直前となって、同ワクチンの1シリンジの希望小売価格が高いとして、厚生労働省や日本医師会が値下げを要望する事態に発展しました。しかし、同社は日本向けに急いで開発を行ったこと、専用の生産ラインや市販後調査のコストも考慮した上での価格設定であることを強調し、値下げには応じない姿勢を示しました。

一方、厚生労働省は化血研と阪大微生物病研究会が申請していた百日咳・ジフテリア・破傷風・不活化ポリオの4種混合ワクチンも承認し、11月から定期接種に導入しました。これを受けて、今後は先行して導入された単独IPVから4種混合ワクチンへの切り替えが進む見通しです。