重要戦略品にMRを集中させるなど組織再編を進める製薬企業が相次ぐ

売上の大きな割合を占めていた主力製品が2010年前後に相次いで特許切れを迎え、収益に大きな影響が出ることを避けられない国内の大手製薬企業は、国内営業の収益構造を見直すための組織再編やMRの評価体系を変更するなどの中期経営計画を発表しました。

施設担当のMRと領域担当のMRによる有機的な連携体制を合併以来続けてきた第一三共は、課題となっていた医療用医薬品売上高が伸び悩むまま今日を迎えています。これを受け、今後は1人あたりの生産性の向上に比重を置いて効率性を追求する考えを明らかにしています。当面は全MR数2400人を維持するものの、将来に向けて必要数を探っていく方針です。

向こう5年間で国内売上が減少する見通しを発表した大日本住友製薬は、主力製品「アムロジン」の特許切れなどの影響もあり長期収載品の構成比が6割を越えました。今後しばらく新薬上市の予定がないため、戦略品や直近の新薬に注力する考えです。

国内市場での増収を見込んでいるのは塩野義製薬です。年平均5%前後の成長を経て2014年度には医療用売上高2,000億円を目指します。塩野義製薬ではMRの業績評価をクレストール、イルベタン、サインバルタなどの最重要戦略品を中心とした8品目に特化し、それ以外は評価しないという徹底した方針を打ち出しています。相次いで新薬の上市を果たした武田薬品は、現在のMR数2,000人を維持します。

後発品事業では、ファイザーが後発医薬品と長期秀才品をひとくくりに扱う「エスタブリッシュ製品事業部門」を興したほか、画像診断や内視鏡などで医療分野に参入している富士フィルムが、後発医薬品の販売をメインとして同事業に乗り出すと発表。将来的に新薬の開発・販売を手掛ける計画とはいえ、異業種からの後発品事業への参入は業界外から見ても同事業がビジネス的に魅力的であることを示すことになりました。

2010年2月には、国内新薬メーカー大手の第一三共が子会社「第一三共エスファ」の設立を発表しました。既にインドの後発医薬品メーカー大手ランバクシーを買収していただけに、国内市場での動向は注目されていましたが、ファイザーと同じ概念で事業展開することになりました。ファイザーも第一三強も、自社の流通体制やMR支援を活用できるのがメリットです。