関連製品のラインナップ充実を図るため国内製薬企業による大型M&Aが相次ぐ

主力製品の特許満了、急速な円高などの影響もありランバクシーの買収効果の恩恵を受けた第一三共を除く大手製薬企業の海外事業は軒並み減収減益となりました。

武田薬品は抗潰瘍剤ランソプラゾール製剤、アステラス製薬は免疫抑制剤タクロリムス製剤、前立腺肥大による排尿困難治療剤タムスロシン製剤、エーザイはアルツハイマー型認知症治療薬アリセプト、第一三共は抗菌薬レボフロキサイシン製剤の特許が切れを向かえることになりました。

大型製品の特許切れ問題を抱えている大手製薬会社は大型のM&Aを進めてきました。第一三共は先述のランバクシー、武田薬品はミレニアム、エーザイはMGIファーマ、塩野義製薬はサイエル、大日本住友製薬はセプラコールを買収しました。唯一遅れを取っていたアステラス製薬も、2010年6月にOSI Pharmaceuticalsを40億ドルで買収しました。

大型買収が相次いだ理由ですが、武田薬品、エーザイ、アステラス製薬は海外市場で販売中のオンコロジー領域のラインナップの強化にあります。自社開発製品のみでは既存の大型製品の特許切れを保管するまでには程遠いこと、各社の業績を支えてきた循環器系分野での大型品開発が、従来の高血圧、脂質異常症、糖尿病から肥満治療薬に移行しており世界的な開発競争が厳しくなる中、これ以上の業容拡大は難しいことも影響しています。

一方、欧米の大手製薬企業は、経済成長率が高い新広告市場への参入を本格化させています。すなわち大型新薬開発による市場創造モデルから、先進医療がカバーしてこなかったアンメットメディカルニーズを取り込むことで、成長を確保する戦略に転換しつつあります。しかし、この市場の主力が後発医薬品であることから、メガファーマは後発医薬品企業の買収を進めています。